年を重ねるにつれて何が困るって、老眼で文字が読みにくくなること。 自然、読書から距離を置くようになってしまう。 読みたい本があって買ってもツンドクになりがち。 電子書籍を文字を大きくしてタブレットで読むというのも今一つなじめない。 ところが、先日、最近は「キキドク(聞き読)」という方法で読書をしている人が増えているとの情報を得た。 サブスクで一カ月 1000 円~ 3000 円で 1 万点以上の本を聞き放題なのだそう。 ナレーションも俳優や声優が録音していて、好きな声を選べるようだ。 自分が聞きやすい声で耳から情報を得ることで、その本の世界感にスッと入り込むことができるのだという。 幼いころ、祖母が夜、添い寝をしてくれたときには必ずソラで物語を語ってくれた。目を閉じると、さまざまな情景が祖母の声によって広がり、主人公とともに冒険の旅に出た。物語を読みたいと思うようになったのは、祖母の語りがきっかけだったかもしれない。 ある女性は定年退職後、家事をしながら本を聞くことが習慣になり、それまでほとんど読書をしていなかったが、 1 カ月で 8 冊読むようになった。慣れてくると 1.5 倍速で聞けるようになったと言っていた。さらに、読んだ本のリストをアプリに登録して簡単な感想を書いたりすることで、友人の輪が広がり、お奨めの本を教え合ったりしているそうだ。 確かに、ハードカバーの本を 1 冊買うと 2000 円くらいするので、コストパフォーマンスはよさそうだ。家も本の山に埋もれずに済む。いいことづくめではないか。 とはいえ、大事な本は宝物。手に取って、一字一字読み進め、ページをめくる作業が楽しい。表紙の装丁や使われている書体までもがいとおしい。どんな漢字を使っているかによっても物語の印象が違ってくる気がするのだ。そして、ちょっと立ち止まって考え込んだり、少し戻ったりしながら読むのも紙ならではの醍醐味。 本棚に著者ごとに 1 冊ずつ本が並べられていく嬉しさも捨てがたい。 いろいろなものが電子化され、紙文化がなくなりつつある。美容院の雑誌はタブレットで選択して読むようになったし、レストランのメニューもタブレットから注文するようになった。コンサー...
国際長寿センターは1990年の設立以来、エイジズムに反対し、豊かで創造的な社会を目指す国際長寿センター・アライアンスの「プロダクティブ・エイジング」の考え方に沿って活動してきました。 私たちはかねてから日本の長寿社会に関する情報について調査研究やイベント結果の発信を報告書やHPで発信してきましたが、より機動的にまた読みやすい形で発信するためにブログの形式も利用することとしました。 内容は、現在の日本の高齢者と高齢社会のすばらしい事柄から、課題や方向性など含めながらコンパクトな記事を用意していきます。 ご愛読をお願いします。