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イマドキシニアの日常生活#13 Bucket List

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認知症の人の「暮らし」を考える#5 アメリカでの認知症本人や家族の取り組み ―「本人・家族の声」を医療へ届ける―

日本では、認知症とともに生きる人が、希望と尊厳をもって暮らし続けられる社会を目指し、本人同士がつながる取り組みが広がっています。たとえば、日本認知症本人ワーキンググループでは、認知症の人自身が中心となり、発信や提言を行っています。 こうした動きは世界各国にも広がっています。スコットランドやシンガポール、オーストラリアなどでも、認知症の本人や家族が主体となった活動が展開されています。   今回はその中でも、私が最近お話を伺う機会をいただいた、アメリカの当事者団体である Voices of Alzheimer's(https://www.voicesofad.com/) の取り組みをご紹介します。   ■「本人の声」が、薬の開発等に生かされる   Voices of Alzheimer's は、認知症の早期発見や新しい薬の開発を後押しする「アドボカシー(権利擁護・政策提言)」活動に取り組んでいます。現在の代表である Jim さんは、妻の Geri さんとともに活動を続けてきました。 Geri さんは 2012 年、 69 歳の時に MCI (軽度認知障害)と診断を受け、「隠れる」のではなく「情熱的に生きる」と決め、数多くの講演活動などに Jim さんとともに取り組んできました。彼女は診断から 12 年後の 2024 年 8 月に亡くなりましたが、早期診断を受けたことも一つの契機として、最期まで自分らしい活動を続けてこられたように思います。   アメリカには、 FDA (米国食品医薬品局)という、新しい薬の安全性や効果を審査する機関があります。これまで、薬の評価は主に専門家や行政によって行われてきました。しかし今、「実際にその病気とともに生きている人の経験」を重視しようという動きが広がっています。   たとえば、 「検査の数値は良くなったけれど、本人の生活は本当により良くなったのか?」 という問いです。   この問いに答えられるのは、日々を生きている本人自身であり、ともに暮らす家族がその声を支えることもあります。そうした「声」が、少しずつ医療のあり方に影響を与えつつあります。こうした流れの中で、 Jim さんは、 FDA の諮問委員会等に関わり、本人・家族の経験に基づく視点を新薬...

Let’s Think About Life with Dementia #4 Keep asking yourself, “What would I do?”―Learning Through the Case Method

  When discussing the life of a person with dementia, it is essential that we recognize a variety of people involved in the person’s daily living. In particular, community dementia support promotion members, who are assigned in each municipality as key actors in community building, play a crucial role.   Over the past few years, I have had opportunities to work with these promotion members in several municipalities, including training programs and lectures. As I listened to the members about the challenges facing them in the field, I have come to realize the enormity and difficulty of their role more than ever.   Actually, most of the promotion members have experience mainly in supporting individuals. But once they become promotion members, they are charged with the huge mission of community building. Many members feel lost about the change in their roles.   I have heard urgent cries for help as I listened to the members in the field, including: “The ro...

Supporting my fav seniors #18 Cherry blossoms and productivity

 In Japan, spring is the time to appreciate and enjoy cherry blossoms in full bloom. For centuries, cherry trees have been planted in various places, from roadsides and parks to shrines, schools, and government offices.   Some people would look up at budding cherry blossoms, looking forward to the spring while shivering in the cold. Others would identify themselves with blooming cherry blossoms, feeling excited as they start a new chapter in their lives.   Still others shed tears filled with emotion, finding beauty and fragility in the falling cherry blossom petals. Cherry blossoms are so close to our lives that no one in Japan wonders why news programs feature cherry blossom forecasts.   To celebrate and appreciate this beautiful gift of nature, many local communities organize cherry festivals. These events are quite simple: People would just stroll under cherry trees while eating food they brought from home or purchased from stalls run by local ...

推し活とプロダクティブ#18 「サクラサク」とプロダクティブ

  日本では、春といえば桜、お花見を思い浮かべる人が少なくない。 昔から、街路樹、公園や神社、学校に役所に、さまざまな場所に桜が植えられてきた。   まだまだ寒さ厳しい時期に膨らみ始めたつぼみを見上げて春を想う人。 咲き始めた桜に新たな生活のはじまりを重ねてワクワクする人。   そして、散り始めた桜の花びらの美しさとはかなさに感動の涙を浮かべる人。 開花予報がニュースのトピックになることを不思議に感じる人がいないくらいに馴染んだ花が桜だったりする。   そんな桜の開花にあわせて地域で企画されているのが桜祭り。 地域の団体や露天商が出すお店で買った食べものや持ってきたお弁当を桜の下をそぞろ歩きしながら食べるだけのイベント。   芸能人がきたり、地域のグループがダンスや歌を披露したり、ショーがあるところもあるけれど、基本は桜を眺めることがメインイベント。 不思議なのは、知らない人どうし、桜を見上げ、目があえば「きれいですね〜」なんて会話がそこかしこで生まれていること。   皆が笑顔で、普段、閉じこもっている様な高齢男性も出てきて、嬉しそうにビール片手に楽しんでいること。 そこにあるのはなんとなしな一体感であり、きれいに写真が撮れる場所を教えるような誰かに嬉しさをわける気持ちだったり。   居場所づくりって、こんなことなのかな … 。 プロダクティブ、人になにかをシェアする、シェアしあうってこういうことなのかな … 。   桜の季節限定だけれど、ゆるやかな居場所、プロダクティブが生まれる姿に色々考える春。 サクラサクに代わるプロダクティブのタネ、探していきたいな … 。   ---------------------------------------------------------------------------- 東海大学健康学部健康マネジメント学科 ウェルビーイングカレッジ 澤岡詩野( SHINO SAWAOKA ) jzt1864@tokai.ac.jp 健康学部公式サイト: https://www.tokai-kenko.ac/ ----------------...

認知症の人の暮らしを考える #4 「自分ならどうする?」を問い続ける――ケースメソッドでひらく学び

  認知症とともに生きる人の「暮らし」を考えていくとき、日々の生活に関わる多様な人の存在が欠かせません。中でも、地域づくりのキーマンとして各市区町村に配置されている「認知症地域支援推進員」のみなさんは、本当に心強い存在です。   ここ数年、いくつかの自治体で推進員のみなさんとご一緒する機会がありました。研修の企画や講師、あるいは現場での日頃の悩みをお聴きする中で、私自身、この役割の「大きさ」と「難しさ」を、これまで以上に強く感じるようになっています。   実は、推進員になる方の多くは、もともと目の前の一人ひとりに向き合う「個別支援」を中心にしてきた方々です。それが推進員になった途端、「地域づくり」という大きなミッションを担うことになり、その役割の変化に戸惑ってしまう方も少なくありません。   現場のリアルな声に耳を傾けると、こんな切実な思いが聞こえてきます。 「推進員の役割が職場で十分に理解されていない」 「目の前の業務を回すだけで精一杯で、地域に十分目が向けられない」 「地域の方にどう伝えればいいのか、自分の言葉が見つからない」   さらに、地域の中には「認知症になったらおしまい」「どうすれば予防できるか(ならないで済むか)」という不安や先入観が、想像以上に根強くあります。もちろん、地域の人たちは悪意があるわけではありません。けれど、その言葉やまなざしは、認知症のご本人やご家族にとって、ときに「見えないバリア」となって、立ちはだかることがあります。   このバリアを前にして、推進員のみなさんは「自分に何ができるだろう」「どうすれば、この先入観を少しずつ変えていけるだろう」と問い続けています。その問いに向き合うために大切なのは、ご本人の声を聴くことはもちろん、「知識として学ぶだけでなく、実際の場面を自分自身の言葉で考える機会」をつくることではないかと考えました。そこで、文部科学省の研究費助成( JSPS 科研費 JP21K01985 )をいただき、仲間とともに「ケースメソッド」を用いた研修教材の作成に取り組んできました。   ケースメソッドとは、ビジネススクールなどでも活用されている学びの手法です。「ある困難な場面に直面している主人公」になり...

Is the grass really greener on the other side? Comparing Japan and Germany #1 Finding a pitfall at a supposedly heavenly hospital in Japan

 I have been living in Germany for quite some time. Last fall, for the first time in decades, I had a hospital experience in Japan as I accompanied my mother for surgery. What surprised me was the number of nurses working on the floor. There’re just so many! According to OECD’s statistics, the number of nurses per 1,000 people is 12 for both Germany and Japan, but it looked as if the Japanese hospital had 50% more nurses. I asked myself why and came up with some possible answers. In Germany, about half of the nurses work part time. They also take almost all paid leave days and often miss work. From what I heard, Japanese workers are far less likely to work part time and miss work. I’m not sure how OEDC collects the data, but I would say the difference may reflect the actual working hours rather than headcount. Another difference was the role played by administrative staff. In Germany, you would almost never see them at a nurse station. But in Japan, they were playing key roles th...