内閣府で行われている「国民生活に関する世論調査(2024年8月調査、2025年1月結果公表)」は、 生活や家庭などの意識や要望をとらえて行政の基礎資料としようというものです。この調査は1957年からほぼ毎年実施されていて、2024年の調査対象は3000人、有効回収率は61%でした。
調査では、「現在の生活の満足度」「悩みや不安」なども聞いていますが、ここでは「充実感」を取り上げてみます。
(「問5  日頃の生活の中で、充実感を感じるのは、主にどのような時ですか。(○はいくつでも)」に対する回答)
(出典)
内閣府政府広報室「国民生活に関する世論調査(令和6年8月調査)」
集計表11(問5)充実感を感じる時                                          
https://survey.gov-online.go.jp/living/202412/r06/r06-life/
これを見ると、いくつかのことに気が付きます。
一つは、60歳台では50歳台と傾向があまり変わらないことです。「家族団らんの時」は50歳台51.8、60歳台47.0でどちらも「友人や知人と会合,雑談している時」の50歳台36.2、60歳台38.7よりも高い数値です。
また、「仕事にうちこんでいる時」も50歳台36.8、60歳台31.2で、比較的高くなっています。
70歳以上の「ゆったりと休養している時」は53.7で、他世代よりもやや低くなっています。さらに70歳以上の「友人や知人と会合,雑談している時」は20歳台を除いて最も多い数値です。活発なコミュニケーションを希望していることがうかがえます。
高齢者は不活発に暮らしていてそれに満足している」というような見方があるとしたらそれは高齢者に対する偏見だと言えるでしょう。
一方で、「仕事にうちこんでいる時」が17.8で比較的低く、「社会奉仕や社会活動をしている時」が13.2で比較的高いのは就労率が低く時間の余裕があるところからきているのでしょうか。また、70歳以上では、「趣味やスポーツに熱中している時」は低い傾向です。スポーツの機会が減少しているのでしょうか。
総じていえることは、60歳台は古い「高齢者」のイメージではなく現役に近いイメージであること、70歳台では、他世代と比較してみるとゆったりと休養することに充実感をおぼえるよりも友人や知人との会合・雑談という人間関係の中に充実感をおぼえることが多いということになります。
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