人とつながりましよう!
地域活動に参加しましょう!
健康寿命が長くなるし、孤立してしまうことを予防できるし、大事だよね。
こんな言葉が、日本中の至るところで聴こえてきます。
確かに大事、そこに反論する人もいないはず。
でも、実際に、国や自治体、地域のリーダーが準備した場や活動に、出てくる人は多いといえません。
そんな地域に出てこない人を、孤立化している人と決めつけてしまいがちな福祉の専門職や地域のリーダーがいます。
果たしてそうなのでしょうか、本当に、誰とも接点をもたずに毎日をひとりで暮らしているのでしょうか?
私が週に一回、決まった曜日に顔を出すミニスーパーがあります。
そこに私が出かけていく理由は、必ず現れる気難しい雰囲気の80代くらいの男性が気になってたまらないから。
その男性、3回に一回はおつまみやお酒、バナナを買いますが、二回はなにも買わずに帰っていきます。
来て、ウロウロして、いつものパートのおばちゃんとバイトの大学生に話しかけ、満足気に出ていくのです。
「ここの唐揚げ硬いからな…、年寄りのお客さん、来なくなるよ」
「大学生は勉強しなきゃ、俺みたいになっちゃうよ」
そんな言葉に、店員さんも慣れているのか、あいづちをうち、時にはアドバイスに感謝することも。
本心からの感謝ではないにしても、言われた本人は少し嬉しそう。
「まあ、昔、サービス業をしてたからさ、またくるからよ!」
と、足取りも軽く、何も買わずに去っていく、世間では孤立していると思われている男性。
そんなやり取りを、日本では『冷やかし』とも言うのですが。
毎回、感じるのは、「冷やかしも、この男性にとってプロダクティブなつながりなのだ…」という新たな視点。
ここで大事なのは、誰にでも、どこででも『冷やかし』が成り立つわけではないこと。
その人にとって、馴染んだ、いつもの場や人であることが必須であり、相手も受け入れてくれることが大前提。
冷かしは、見守りや生きがいといわれるサポーティブな関係にはならないかもしれない。
でも、少し辛い時にボヤける位の関係にはなるのかもしれない。
そんな『冷やかし』という場やつながりのもつ可能性を感じた、ミニスーパーしの散歩でした。
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東海大学健康学部健康マネジメント学科
ウェルビーイングカレッジ
澤岡詩野(SHINO
SAWAOKA)
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