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6月, 2025の投稿を表示しています

Cutting-edge Daily Life of Elderly #10 Finding Fireflies… and Passion

Many younger seniors stay active by playing various roles. But as they grow older, they tend to gradually stop engaging in activities. According to a survey by the Cabinet Office, the most common reason for not wanting to participate in social activities among men aged 80+ was “I’m not confident in my health and stamina” (45.5%), followed by “I have no friends to participate with” (22.7%) and “I find socializing tiring” (19.7%) * . As a person and his friends grow older, they may be losing confidence, facing the fact that they can no longer move around as they used to, both physically and mentally.   My father used to keep himself busy even after retirement, serving as president of a facility for people with disabilities, local welfare commissioner, officer of the neighborhood association and a senior citizens club, and many more. He had also traveled several times a year, such as shareholders’ trips and visits to a friend in a different prefecture. But since my mother st...

Let’s Think About Life with Dementia #3  “I live alone, but I’m not alone”―A Critical Role of Visiting Nurses

  Many older people like to continue their own way of living even when they live alone with dementia. The key to making it happen, I have always felt, is how supporters can value these older people’s wisdom, which they have built over the years, and their wishes to remain who they are. In March 2025, the Tokyo Metropolitan Geriatric Medical Center published the guidebook titled “Supporting Independence of Older People Living Alone with Dementia: Practice Guide fo r Visiting Nurses.” This guidebook provides a useful checklist and practical tips for visiting nurses who support older people living alone with dementia. I had an opportunity to be part of this research as a committee member.   The checklist was developed based on detailed interviews with visiting nurses, who had extensive experience in supporting older people living alone with dementia, as well as opinions of experts in this area. It summarizes attitudes, perspectives, and support methods emphasized on the front...

Cutting-edge Daily Life of Elderly #8 "Longevity Savings"

  The other day, I was shocked to find a name in the obituary posted on the community bulletin board: It was a former classmate of mine in junior high school. It’s got to be some kind of mistake. To double-check, I hurriedly contacted a friend of mine who had gone to the same high school as him. It really was him, the president of the student association back then. He had died of illness. I hadn’t seen him for over 40 years since graduation, and we weren’t particularly close friends. But I can still remember him, a nice guy always with a smile on his face. This experience has made me realize, well, I’m old enough to experience death of my classmates.   In an episode of a TV drama now on air, the main character’s mother was doing “Nagaiki Chokin,” or longevity savings. The mother was a big fan of Rokusuke Ei, a popular actor and writer who had suggested in one of his books that older people could pool money and save it together. Inspired by this idea, the mother did j...

Supporting my fav seniors #13 A secret crush and productivity

“My son got me a ticket for a professional baseball game and drove me to the stadium.” “Wow, lucky you! What a sweet son you have —— the ticket,   ride and everything.”   The conversation took place at a community gathering place used by local residents in their 70s to 90s. The place was filled with excitement. As Ms. A, in her 70s and living alone, shared her story about the baseball game, Ms. B in her 80s envied Ms. A for having a devoted son, and Ms. C in her 90s praised Ms. A for having energy to go to a bustling stadium.   Then, Ms. A started blushing and quietly shared something else: “You know, I’ve got someone at the Hiroshima Carp baseball team…My heart starts beating fast just thinking about what if our eyes met!”   These mature ladies in the conversation went silent, having no idea what Ms. A was talking about. “You know, he’s so handsome. I know I’m fooling myself, but I can’t stop thinking that the player C heard me cheering and was s...

イマドキシニアの日常生活#9 蛍の光

前期高齢者の時はいろいろな役回りを引き受けてアクティブに過ごしてきたシニアの方々も後期高齢者になるとだんだん活動から足が遠のいてしまうことがままある。 内閣府の調査によると、社会活動に参加したいと思わない理由として、男性 80 歳以上で最も多かったのが「健康・体力に自信がないから」 45.5 %、次いで「同行の友人、仲間がいない」 22.7 %、そして「人と付き合うのが億劫」 19.7 %、となっている (注) 。 自分も仲間も年を重ねたことで、心身ともに昔のようには動けないことに自信を失っているのかもしれない。    退職後も障害者施設の理事長や民生委員、町内会の役員、老人クラブの役員など、忙しくしていた父。年に数回は株主の旅行や山梨の友人の家に遊びに行ったりもしていた。 しかし、母に介護が必要になってからはすべての役職を降り、旅行にも行かなくなった。 母を見送って 5 年がたつが、今は買い物や通院以外、ほとんどどこへも出かけない。 外食に連れ出すのも一苦労。「いいよ、家で食べるから。」が口癖。レストランに行ってメニューを見て食べるものを選ぶのが面倒な様子。 友人のところへまた遊びに行ってはどうかと促してみるが、生返事をするだけで連絡をとることもしない。行ってから帰ってくるまでのいろいろな手続きを考えるだけで気持ちが萎えてしまうようだ。 先日、パンを買いに近くのスーパーまで歩いて行ってきたところ、「足が弱った。最近は歩かないもんなぁ。」と体力の低下を自覚し、しみじみ呟いていたことを思い出す。    「なんとか外へ連れ出したい。」そう思っていた矢先、テレビで蛍の映像が立て続けに 2 度、 3 度と流れた。「蛍っていうのはそんなにきれいなのかな。」父がそう私に聞いてきた。え?父は蛍を見たことがないの?田舎育ちだから、当然見たことがあると思っていたのだが。 「お父さん、蛍ってね、言葉で言っても伝わらないくらいに幻想的で儚くて美しいのよ。あのきれいさは実物を見ないと表現できない。生涯で 1 回は絶対に見た方がいいよ。よし、見に行こう!」すぐに行動に移した。   「関東で蛍を見るならば 6 月の中旬までがベスト。少し蒸し暑くて、風がない晴れた日が良い。」ネットを検索するとそう書いてあった。関東は...

認知症の人の「くらし」を考える #3 ひとり暮らしだけど、“ひとり”じゃないひとり暮らし ― 大事な担い手としての訪問看護師

ひとり暮らし認知症高齢者が、その人らしい暮らしを続けるためには、長年培ってきた生活の知恵や、自分らしさを守ろうとする気持ちを、支援者がいかに大切にできるかが重要であると常々感じている。 202 5年 3 月、東京都健康長寿医療センターから『独居認知症高齢者の自立生活を支える訪問看護の実践ガイド』が公表された。このガイドには、ひとり暮らし認知症高齢者を支える訪問看護師が現場で活用できる「チェックリスト」と「実践のためのヒント」が示されている。私もこの研究に委員として関わらせていただいた。   このチェックリストは、ひとり暮らし認知症高齢者を支えてきた訪問看護師たちへの丁寧なインタビューをもとに作成され、エキスパートの方々からの意見を集約したものである。現場で大切にされてきた姿勢や視点、支援の工夫が整理され、以下のようなステップにまとめられている。 STEP1 :利用者の暮らしに入り込み、対話を重ねながら関係性を築く( 4 項目) STEP2 :利用者のことを全人的に理解し、心身状態や生活状況をアセスメントする( 6 項目) STEP3 :多職種と協働しながら、個別性のある支援を行う( 5 項目) STEP4 :経過を見通した判断と、意思決定支援を行う( 3 項目)   ガイドの中から、ひとつの事例を紹介したい。 D さん( 80 歳・女性)は中等度の認知症があり、訪問看護の支援を受けながら、ひとりで暮らし続けていた。訪問スタッフが声をかけると、いつも明るく迎えてくれ、冗談を交えた会話もできる方であった。しかしある日を境に、その笑顔が見られなくなった。部屋の中も散らかったまま。いつもの D さんらしさが感じられない。さらに別の日、訪問介護スタッフが、家からかなり離れた場所で D さんが迷って立ちすくんでいるのを偶然見つけたという話を聞いた。何かが起きている ―― そう感じた訪問看護師が家族に連絡を取ったところ、 D さんの姉が 1 か月ほど前に亡くなっていたことがわかった。 このように、表情や行動のちょっとした変化から、心身の異変や生活背景の変化に気づくことがある。だが、認知症高齢者の多くは、自分の不安や悲しみをうまく言葉にするのが難しい。もちろん、本人の声に耳を傾けることが基本だが...

イマドキシニアの日常生活#8 長生き貯金

  先日、町内会の掲示板に貼られた訃報を見て衝撃を受けた。中学時代の同級生の名前が書かれていたのだ。間違いであって欲しい。急いでその彼と高校まで同じだった友人に確認した。 まさしく本人であった。病死だったとのこと。生徒会長だった彼とは中学卒業以来、 40 年以上も会っていない。友人と呼ぶには少し遠い存在。でも、わずかな思い出の中の彼はいつも笑顔で好ましい青年だった。 ・・・そうか。同級生が亡くなる年齢になってきたのか。そんなことを実感した出来事だ。   今放映されているドラマの中で、主人公の母親が『長生き貯金』を行っているという話があった。 母親は永六輔さんのファンで、彼の著書にあった「年寄りが仲間と一緒に貯金をする」というアイデアを、同世代の女子友の会で実践していた。 メンバーは 38 人で、毎年ひとり 1 万円を共同口座に貯めていく。 でも旅行に行ったりおいしいものを食べたりするために使うものではない。 それは、「使わない」貯金。 年間 38 万円、 10 年で 380 万円、 20 年で 760 万円、 30 年たつと 1000 万円を越える。 その間に少しずつメンバーが亡くなり、減っていく。そして最後まで生き残ったひとりが全額をもらえる仕組み。 80 代になった今は 34 人。 「死ねないわよー、死んでたまるかー。単純に先に死にたくない、これ大事。先月もお葬式で皆と会って、ひとり減ったー、ラッキー!みたいな顔して。年取るとね、『あー、あの人も死んでしまった、淋しい』って気持ちばかりになるでしょ。でも私たちは違うの、ひとり減った、 OK !」 何が何でも生き残って 1000 万もらうことを励みに生きていけるのだという。 永六輔さんらしい、なかなかユニークでブラックなアイデア。   これには賛否両論があった。ファンキーで格好いい!!という意見も多かったように思う。 私は・・・考え方は面白いが、「否」かな。   まず、共同名義の口座が日本では作れない。誰の名義にするかで揉める。通帳の管理は誰がするのか。名義人が先に亡くなってしまったら?口座が凍結されてしまうがどうするのか。税金はどうなる?認知症になっていたら?深刻な病気になっていたら? なーんて現実的な疑...

推し活とプロダクティブ#13 「あわい恋心」とプロダクティブ

  「息子がね、プロ野球のチケット取ってくれて、車でスタジアムまで連れて行ってくれたの」 「あら〜、いいわね、送迎つきなんて、親孝行な息子さんよね〜」   こんな会話で盛り上がるのは、 70 代から 90 代までのご近所さんが集まるサロン。 一人暮らしの 70 代後半の女性 A さんの野球観戦の話に、親孝行な息子を羨ましがる 80 代女子や、賑やかな場にいく元気を褒める 90 代女子に、サロンは大盛り上がり。   そんなおしゃべりの輪に、頬を赤らめつつ A さんが追加の一言をポツリ。 「でね、いるのよ〜、カープに…、目があっちゃったらどうしようってドキドキ」   その場にいた百戦錬磨な女子たちは意味がわからず、しばし沈黙。 「だから、カッコいいのよ、勘違いなのはわかっているのだけど、 C 選手に応援が届いて笑いかけてくれているんじゃないかって…」   A さんのイケメン選手への淡い恋心に、一同ビックリ。 聞けば、数年前に亡くなった夫には仏壇に毎朝手を合わせているから許してくれているはず、とニッコリ。   思い返せば、学生時代、ワタシにも好きな若手スターがいて、街で出くわしたらどうしよう…などと妄想をしていた。 叶わないのはわかっているけれど、応援していること自体が楽しくて、オシャレにも勉強にも気合いが入っていた。   オトナになってからは、忙しさと思い通りにいかない毎日に、しばらく、そんな妄想はなかったかな…。 なんて自分を振り返りながら、 A さんの姿を眺めていて気づいたことが。   A さんだって、夫や大事な人たちと死別した寂しさ、疾患を抱えた自分の身体などなど、たくさんの不安や思い通りにいかないウツウツを抱えているはず。 だけど、元気で輝いて見えるのは、ほのかな恋心を抱く誰かがいて、その人を応援する自分を好きになれているから?   誰かを推す、推し活は、自分のチカラを誰かにプレゼントするプロダクティブな活動。 そんな想いでつけた blog のタイトルだけれど、推すのが淡い恋心をいだく相手だったらもっとステキだな〜と、改めて感じる今日この頃。 人生の折り返し、 50 歳の今...